読書

猫の地球儀/秋山瑞人

「猫の地球儀 焔の章」「猫の地球儀 その2 幽の章」著秋山瑞人、読みました。トルクは宇宙に浮かぶ島で、円筒形で、地上6000キロ、軌道速度は秒速5600メートルで回っている。幽は三十七番目のスカイウォーカーで、まだ小さな黒猫だった。幽の目的は、ただひ…

本屋大賞2012ノミネート作品

2012年の本屋大賞ノミネート作品が出そろったみたいです。 http://www.hontai.or.jp/読むかどうかは別にして、毎年気になるランキング。 今年のノミネート作品は以下のようです。○『偉大なる、しゅららぼん』著/万城目学(集英社)偉大なる、しゅららぼん作…

津軽/太宰治

「津軽」著太宰治、読みました。太宰がある年の春、故郷の津軽を訪れ、津軽のあちこちを歩き回るという内容です。 「人間失格」や「斜陽」とは違って、どこか陽気な感じさえする太宰の旅行記。 或る年の春、私は、生まれてはじめて本州北端、津軽半島を凡そ…

龍時01-02/野沢尚

「龍時01-02」著野沢尚、読みました。 志野リュウジはスペインU-17代表との親善マッチ試合に日本選抜選手として急遽招集された。そこでスペインサッカーと日本サッカーの違いを見せつけられる。相手に恐怖心を抱かせるサッカー。それがスペインサッカーだっ…

ふたりの距離の概算/米澤穂信

「ふたりの距離の概算」著米澤穂信、読みました。古典部シリーズ第4作目。 新年度を迎え二年生になった古典部メンバー。そこに新入生の大日向友子が仮入部してきた。 本入部を迎える前日、大日向は突然入部を辞めると言ってきた。しかもその原因はどうやら…

好き好き大好き超愛してる。/舞城王太郎

「好き好き大好き超愛してる。」著舞城王太郎、読みました。 初めて舞城王太郎読みました。 読もうと思いつつ、なんとなく癖が強そうで読まずにいました。でも、ついに手に取った! 本当に癖が強いですね。最初は文章が合わなくてちょっときつかったです。 …

三月は深き紅の淵を/恩田陸

『三月は深き紅の淵を』著恩田陸、読みました。 本書は全四章で構成されています。 一つひとつは独立した話ですが、どれも「三月は深き紅の淵を」という幻の本にかかわり巡り繋がり、全体で複雑な構造をした小説でした。それぞれの章を軽く内容紹介します。 …

世界は分けてもわからない/福岡伸一

『世界は分けてもわからない』著福岡伸一(講談社現代新書)、読みました。 私たちは何でも分けて考えがちなのかもしれない。分けて考えた方が理解がしやすい、効率がいいのかもしれない。それに私たちは意識しなくても物事を分けて見てしまうものかもしれな…

宇宙は何でできているのか 素粒子物理学で解く宇宙の謎/村山斉

『宇宙は何でできているのか 素粒子物理学で解く宇宙の謎』著村山斉(幻冬舎新書)、読みました。 宇宙とは何でできているのでしょうか。見上げればそこにあるもの。ずっと昔から人間はそれを見上げ、その謎に挑んできました。 昔は地球が宇宙の中心だと考え…

四畳半王国見聞録/森見登美彦

『四畳半王国見聞録』著森見登美彦、読みました。著者のブログ「この門をくぐる者は一切の高望みを捨てよ」より(http://d.hatena.ne.jp/Tomio/20110122/p1) この単行本は、登美彦氏が数年にわたって書いた四畳半的短編七篇を集めて、それらを大幅に加筆修…

ルリボシカミキリの青/福岡伸一

『ルリボシカミキリの青』著福岡伸一、読みました。生物学者である福岡伸一さんが『週刊文春』で連載しているコラム『福岡ハカセのパラレルターン・パラドックス』を再編集して、まとめたものである。すごく面白かったです。日常的な風邪や花粉や蜂だったり…

ブラフマンの埋葬/小川洋子

『ブラフマンの埋葬』著小川洋子、読みました。芸術家たちがやってくる「創作者の家」。そこで世話係として働く僕。 そんな僕のもとに夏の始めのある日、ブラフマンはやってきた。サンスクリッド語で「謎」という意味の名前を与えられたブラフマン。僕とブラ…

覘き小平次/京極夏彦

『覘き小平次』著京極夏彦、読みました。 微昏がりの押入れの中、身を屈め踵を撫で乍ら、一寸五分の隙間から世間を覗く。縦長の世間はいつも夢幻のようで、それでもあちら側こそ真実なのではあろうから、矢張り我こそが夢幻なのであろうかやと、小平次はそう…

プリンセス・トヨトミ/万城目学

『プリンセス・トヨトミ』著万城目学、読みました。会計検査院の松平、旭・ゲーンズブール、鳥居の三人は出張で大阪へ向かった。大阪での仕事は多少揉め事はあったものの順調に進んでいた。しかし「社団法人OJO」に対しての検査は出来なかった。約束した時間…

ボトルネック/米澤穂信

『ボトルネック』著米澤穂信、読みました。兄が死んだとき、僕は東尋坊の崖の前にいた。諏訪ノゾミの弔いをするために。彼女は2年前この崖から落ちて死んだ。 そのとき、僕は突然の強い眩暈に襲われ、崖から落ちた。 気がついたとき、そこは見慣れた金沢の町…

考えるヒント/小林秀雄

『考えるヒント』著・小林秀雄、読みました。 <私がここに毎月書いている感想に、「考えるヒント」という題がついている。私がつけたのではない。編集がつけた。そう題をつけられてみれば、そういうものかなと思っているだけだ。よく考えられた文章ではない…

秋期限定栗きんとん事件/米澤穂信

『秋期限定栗きんとん事件』著米澤穂信、読みました。<放課後五時半に ひとりで教室に来てください まってます> 船戸高校に通う、ぼく、小鳩常悟郎の机の中に入っていた一枚の紙片。教室で待っていたのは一人の女子生徒であった。彼女はぼくに告白し、ぼく…

人間失格/太宰治

『人間失格』著太宰治、読みました。あらすじ 「恥の多い生涯を送ってきました」3枚の奇怪な写真と共に渡された睡眠薬中毒者の手記には、その陰惨な半生が克明に描かれていました。無邪気さを装って周囲をあざむいた少年時代。次々と女性に関わり、自殺未遂…

海がきこえるⅡ アイがあるから/氷室冴子

『海がきこえるⅡ アイがあるから』著氷室冴子、読みました。あらすじ 大学1年の夏、杜崎拓は故郷高知に帰省した。親友・松野と里伽子のわだかまりも解け、気分よく東京に戻った拓の部屋に、年上の女性、津村知沙が入り込み泥酔し寝ていた。「その年上の女、…

李陵・山月記―弟子・名人伝/中島敦

『李陵・山月記―弟子・名人伝』著中島敦、読みました。あらすじ 人間の強さと弱さを映し出す悲運の英雄たち 舞台は中国、漢の時代。北方民族・匈奴(きょうど)の来襲に、軍隊を率い李陵は勇戦するも捕虜となる。 その評価をめぐり宮廷は大騒動。 唯一の味方…

読書力/齋藤孝

齋藤孝の『読書力』読みました。あらすじ 本を読むことの意味は何?案外答えにくい問いに、「読書によって…の力がつく」という形で考え、コミュニケーションの力、人間を理解する力との関わりを示します。自分をつくり、鍛え、広げることが、読書とどう結びつ…

海がきこえる/氷室冴子

氷室冴子さんの『海がきこえる』読みました。あらすじ 高知から東京の大学へと進学するために東京へ引っ越してきた杜崎拓。かつてのクラスメートのアサシオからの電話で、武藤里伽子の名前が出てくる。ふと思い出す。高知のこと、学校のこと、武藤里伽子のこ…

手紙/東野圭吾

東野圭吾の『手紙』読みました。あらすじ 兄・剛志は弟・直貴の大学進学費用のために強盗殺人をやった。そして、弟は『殺人犯の弟』というレッテルを貼られて生きていく。 掴みかけた夢も、幸せも『殺人犯の弟』というレッテルによって、それは弟、直貴の元…

はやぶさ、そうまでして君は〜生みの親がはじめて明かすプロジェクト秘話/川口淳一郎

川口淳一郎さんの『はやぶさ、そうまでして君は〜生みの親がはじめて明かすプロジェクト秘話』読みました。あらすじ 「大気再突入で燃え尽きてしまう運命であるにもかかわらず、どうして君は、これほどまでに指令に応えてくれるのか」 「小惑星探査機はやぶ…

天涯の砦/小川一水

小川一水氏の『天涯の砦』読みました。 あらすじ 地球と月を中継する軌道ステーション“望天”で起こった破滅的な大事故。虚空へと吹き飛ばされた残骸と月往還船“わかたけ”からなる構造体は、真空に晒された無数の死体とともに漂流を開始する。だが、隔離され…

かのこちゃんとマドレーヌ夫人/万城目学

万城目学氏の『かのこちゃんとマドレーヌ夫人』読みました。 あらすじ 元気な小学一年生・かのこちゃんと優雅な猫・マドレーヌ夫人。その毎日は、思いがけない出来事の連続で、不思議や驚きに充ち満ちている。書き下ろし長編小説。 短い小説で児童書的な雰囲…

聖の青春/大崎善生

大崎善生さんの『聖の青春』読みました。ああ、すごくいい本に出会ったなという感じです。あらすじ 重い腎臓病を抱え、命懸けで将棋を指す弟子のために、師匠は彼のパンツをも洗った。弟子の名前は村山聖(さとし)。享年29。将棋界の最高峰A級に在籍したま…

小惑星探査機はやぶさの大冒険/山根一眞

『小惑星探査機はやぶさの大冒険』山根一眞著、読みました。 あらすじ 星のかけらを拾って地球に戻るまで、60億キロを、7年間かけて旅をした惑星探査機の運命。その全プロセスにおいて、プロジェクトチームに綿密な取材を続けてきた著者が、他では知り得ない…

冷たい密室と博士たち/森博嗣

森博嗣さんの『冷たい密室と博士たち』読みました。 あらすじ 同僚の喜多助教授の誘いで、N大学工学部の低温度実験室を尋ねた犀川助教授と、西之園萌絵の師弟の前でまたも、不可思議な殺人事件が起こった。衆人環視の実験室の中で、男女2名の院生が死体とな…

遠まわりする雛/米澤穂信

米澤穂信さんの『遠まわりする雛』読みました。甘くてほろにがーーーい!!! あらすじ 省エネをモットーとする折木奉太郎は“古典部”部員・千反田えるの頼みで、地元の祭事「生き雛まつり」へ参加する。十二単をまとった「生き雛」が町を練り歩くという祭り…