好き好き大好き超愛してる。/舞城王太郎

好き好き大好き超愛してる。」著舞城王太郎、読みました。


初めて舞城王太郎読みました。
読もうと思いつつ、なんとなく癖が強そうで読まずにいました。でも、ついに手に取った!


本当に癖が強いですね。最初は文章が合わなくてちょっときつかったです。
でも、なんだかすごい。嫌いにはなれない。頭の中がぐちゃぐちゃにかき回されるような、そんな僕の理解を超えたエネルギッシュなわけのわからない作品。


なにがすごいのか。
それはとことん直球なところだろうか。バカみたいに直球で自分の気持ちをがんがん出している。そこには嘘がないように感じる。
誰かのことが好きで好きで、そのことの強さとか弱さとか不安とか、その身勝手さとか。


僕たちは誰かを好きになるとき、愛するとき、どこまで本気になれるだろうか。
嘘偽りのない愛なんてあるのだろうか。
どこまでもバカみたいに誰かを愛してみたい。


本書の冒頭を書いて終わります。

 愛は祈りだ。僕は祈る。僕の好きな人たちに皆そろって幸せになってほしい。それぞれの願いを叶えてほしい。温かい場所で、あるいは涼しい場所で、とにかく心地よい場所で、それぞれの好きな人たちに囲まれて楽しく暮らしてほしい。最大の幸福が空から皆に降り注ぐといい。

 祈りは言葉でできている。言葉というのものは全てをつくる。言葉はまさしく神で、奇跡を起こす。過去に起こり、全ての終わったことについて、僕達が祈り、願い、希望を持つことも、言葉を用いるゆえに可能になる。過去について祈るとき、言葉は物語になる。
 人はいろいろな理由で物語を書く。いろいろなことがあって、いろいろなことを祈る。そして時に小説という形で祈る。この祈りこそが奇跡を起こし、過去について希望を煌めかせる。ひょっとしたら、その願いを実現させることだってできる。物語や小説の中でなら。

好き好き大好き超愛してる。

好き好き大好き超愛してる。