小惑星探査機はやぶさの大冒険/山根一眞
『小惑星探査機はやぶさの大冒険』山根一眞著、読みました。
あらすじ
星のかけらを拾って地球に戻るまで、60億キロを、7年間かけて旅をした惑星探査機の運命。その全プロセスにおいて、プロジェクトチームに綿密な取材を続けてきた著者が、他では知り得ない情報をふんだんに盛り込んだ。「はやぶさ」ファンも知らない未公開の事実、わくわくする証言が続々と公開される。
すごくいい本でした!
「はやぶさ」も「はやぶさチーム」も関係者の方々本当におつかれさま!
はやぶさとそれを開発、実行していた方々の苦労と情熱がひしひしと伝わってきます。
2003年5月に内之浦からM-5ロケットとはやぶさを打ち上げて、2005年にイトカワへタッチダウン。そこから通信が途絶えたり、幾度の困難に立ち向かって、2010年6月地球、オーストラリアのウーメラ砂漠にカプセル着地。はやぶさ本体は大気圏突入時に燃え尽きてしまった。
この7年間の軌跡を、関係者のインタビューを交えながら分かりやすく書き綴っています。
まさにジェットコースター物語という感じ。技術力も大事ですが、それ以上に困難にぶち当たったときの根性と努力で、頑張る!はやぶさを帰還させるために!
以前読んだ吉田武さんが書いた『はやぶさ』は糸川英夫と宇宙研のはやぶさまでの歴史という感じがで、現在に伝わる日本ロケット技術の熱さを強く感じました。
今回は、まさに「はやぶさの大冒険」に焦点を当てて、技術者の方やプロマネの川口淳一郎さんなどのインタビューと著者の取材をもとに臨場感溢れる感じで書かれています。
今更ながら「はやぶさ」ブームです。
そういえば、この前はやぶさのカプセルを見てきました。佐賀武雄市の佐賀県立宇宙科学館にはやぶさのカプセルが公開されてたので行ってきました。
平日に行ったのですがすごく人が多かったです!佐賀近県の方も多く来ていたみたいですね。
今調べたら、4日間で2万1千人集客したみたいです。すげー!
実物のヒートシールドを見て、なんとなく感慨に浸ってきました。すごい技術ですね。
本書のなかで「はやぶさ」が帰ってくることが出来たことに関して、JAXAの國中均教授の印象的だった言葉。
「うーん、奇跡だとはいいたくないですよね。やっぱり努力でしょうね、努力です。とても『おもしろかった』ので、みんな一生懸命努力したんです」
いい言葉ですね。
現在、はやぶさのカプセルからはイトカワの微粒子がかなり見つかってます。この微粒子から宇宙の起源なんか分かったりするのかしないのか。
月以外の宇宙の砂を持ち帰ったんだからすごいことだと思います。
はやぶさが最後に送ってきた地球の写真や山口大志さんが撮ったはやぶさ大気圏突入時の写真とか見ると、あまりに綺麗で涙が出てきそうです。
本当に「はやぶさ」ありがとう、おつかれさま。
先日、金星探査機「あかつき」が金星の軌道に乗るのに失敗したらしいですが、まだチャンスはあるみたいです。6年後らしいですが!
本当に頑張ってほしいです!今も宇宙のどこかで「あかつき」は再びの金星に向けて飛んでるんですね。がんばれ「あかつき」!あと、「イカロス」も!
- 作者: 山根 一眞
- 出版社/メーカー: マガジンハウス
- 発売日: 2010/07/29
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