宇宙は何でできているのか 素粒子物理学で解く宇宙の謎/村山斉

『宇宙は何でできているのか 素粒子物理学で解く宇宙の謎』著村山斉(幻冬舎新書)、読みました。


宇宙とは何でできているのでしょうか。見上げればそこにあるもの。ずっと昔から人間はそれを見上げ、その謎に挑んできました。
昔は地球が宇宙の中心だと考えられていました。しかし、実際は宇宙はとてつもなく広大で、果てしないものでした。


小学校や中学、高校なんかで図書館の宇宙の写真だとか図鑑だとか雑誌のニュートンだとかで綺麗な土星木星超新星爆発でガスが飛び散っている幻想的な様子なんかは見たことありますが、実際に宇宙が何でできているのかということはよく知りませんでした。
また、ニュートリノだとかクォーク暗黒物質なんかもちょくちょく耳にしますがいったいそれがどういうものか、なんか宇宙関連の単語だなみたいな感じでした。wikipediaとかみても全然理解できなかったですし。


宇宙がどういうもので構成されているのか。そして、これから宇宙はどうなるのか。
本書ではそれをなるべくわかりやすくいろんなものに例えたりしながら書かれていました。ほんのり今考えられている宇宙の姿の一端に触れられたように気がします。宇宙は不思議で、素粒子の世界もまた不思議に満ちています。


宇宙と素粒子

ビックバン直後の宇宙は、それ以上は小さく出来ないほど小さいものだったでしょう。これはまさに「素粒子の世界」だと思いませんか?したがって宇宙の起源を知ろうと思ったら、素粒子のことを理解しなければいけません。逆に、大きな宇宙を調べることによって、小さな素粒子についてわかることもあります。自然界の両極端にあるように見えながら、この2つは切っても切れない関係にあるのです。


宇宙を構成している物質は以下のように考えられているらしいです。
星と銀河0.5%、ニュートリノ0.1〜1.5%、原子4.4%、暗黒物質23%、暗黒エネルギー73%、反物質0%、暗黒場(ヒグス)1062%
みたいな感じらしいです。すごいですね。つまり宇宙のほとんどがなんだか分からないもので構成されているということです。
暗黒エネルギーだとかヒグス(ヒッグス粒子)なんて謎すぎて、厨2病みたいな名前付けられてますからね。
もうよく分からないけどすごいです。


宇宙が膨張しているのは知っていましたけど、昔は宇宙膨張は減速すると考えられてましたけど、実際はどんどん膨張が加速しているらしいです。
この減速するはずところを加速させているエネルギーが「暗黒エネルギー」らしいです。

あと、原子やクォークのことや標準模型のこと、自然界に存在する4つの力「重力」「電磁気力」「強い力」「弱い力」。
「E=mc2」のこと。
湯川秀樹小柴昌俊南部陽一郎小林誠益川敏英といったノーベル物理学賞受賞者の研究の話だったり。
なかなか難しいですけど、やっぱり面白いです。


著者も所属している日本の「IPMU」や欧州の「CERN」、その他アメリカやロシアだったり、各国の研究機関が今か今かと大きな実験施設の中で、小さな小さな素粒子の輝きを発見しようと待ち構えています。
もしかしたら明日にでも新し素粒子が発見されるかもしれません。
また、いま主流となっている理論が間違っていたり、さらに新しい理論が誕生したり、宇宙は日進月歩の世界なのです。

一方、「こんなことを調べて一体何の役に立つんだ?」と疑問に思われた方もいると思います。実は私は文部科学省財務省、また一般の方々から同じような質問を受けることがありますが、いつもこのように答えています。「日本を豊かにするためです」と。「豊か」という言葉は、経済的な意味もありますが、心、精神、文化の豊かさも含んでいます。人生の半分近くを外国で暮らした私から見ると、日本はこうした広い意味での「豊かさ」をとても大事にする国です。これからもそうであってほしいですね。


日本がこれからも宇宙の神秘に心惹かれる感性を失わず、謎に挑み続け、「豊か」な国であるといいです。
僕は文系で宇宙のことや素粒子物理のことなんてあまりわからないけれども、宇宙のことや探査衛星はやぶさだったり生物化学だったり、その他僕が生活するにあたっていろいろなことは、僕に実質的になんの役にも立たないかもしれないけれども、それらは僕をわくわくさせ、興奮させるんです。知らなかった世界の見方。そんなものを僕にそっと教えてくれている気がします。


なんだか長々とまとまりのない文を書いてしまいましたが、まあ、宇宙も素粒子も面白い!ってことです。

宇宙は何でできているのか (幻冬舎新書)

宇宙は何でできているのか (幻冬舎新書)