グレート・ギャツビー/スコット・フィッツジェラルド 訳・村上春樹
あらすじ(amazonより)
1922年、F・スコット・フィッツジェラルドは、「何か新しいもの、斬新で美しくて質素なもの、手のこんだ構成のもの」を書くと宣言した。それが、彼の代表作にして最高傑作である、『The Great Gatsby』(邦題『グレート・ギャッツビー』、または『華麗なるギャツビー』)だ。「ジャズ・エイジ」の光と影を描いた本書は、狂欄の1920年代の雰囲気をとらえた小説で、「アメリカの神話」の中で不動の地位を占めている。
貧しさの中から身を起こし、裕福になったジェイ・ギャッツビーは、フィッツジェラルド、あるいはアメリカそのものにつきまとう、金や野心、貪欲さ、進歩主義信仰などの強迫観念を象徴する。
「ギャッツビーは、緑の灯火を信じていた。お祭り騒ぎは、年々かげりを見せはじめているというのに、未来は明るいと信じていた。いざ、その時が来て、明るいはずの未来が素通りしていっても、たいした問題ではない。明日になれば今日より速く走ることができるし、大きく手を広げることもできるから…そしてすがすがしい朝が――」
夢の実現と崩壊を描いたこの小説は、「アメリカンドリーム」に一種の警鐘を鳴らす作品なのだ。
『グレート・ギャツビー』読みました。
なんとも言えない寂しさが読後に込み上げて来ました。
とにかく美しい文章と、村上春樹氏の丁寧で、一滴の汚れも許さないような透明な水のような訳文がすごいです。ギャツビーの豪邸で毎夜開かれるパーティーの煌びやかな様子だとか大きい眼の看板だとか、印象的な描写があっていいですね。古臭さもなくて読みやすかったです。
ギャツビーのどうしようもない純粋さだとか、そこに群がる人々の様だとか、貧しさと裕福さだとか、過ぎてしまった時の流れだとか、なんだかすべてが物悲しく、ギャツビーやデイジー、トム、ウィルソンなどに対しての行き場のない怒りや悲しみ、愛おしさがなんだか募ってきました。
また、いずれ再読したい本ですね。何度か読んだら感想も、読む視点も変わってくるでしょう。
ギャツビーの口癖で「オールド・スポート」って言うのがなんだか好きでした。
- 作者: スコットフィッツジェラルド,Francis Scott Fitzgerald,村上春樹
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2006/11/01
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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