きょうのできごと

映画『きょうのできごと』見ました。おのれリア充……。あと関西弁……。
あらすじ

京都の大学院に進学する友達の引越し祝いに集まった仲間たち。そして、そこにはいないけど気にかかる人。一方、テレビに映し出されるのは、ビルの壁に挟まって抜け出せなくなった男や座礁したクジラのニュース…。どこにでもいるような若者たちの一日。でも、そこには言葉では伝えきれない想いが溢れている。

友達の院進学と京都への引越し祝いに集まって、ただワイワイ騒ぐ。そんな一日。テレビではビルに挟まった男や、座礁したクジラのニュース。

なんでもないそんな日。
それぞれ悩みや不安がある。気持ちはそれぞれいろいろ。それでも、友達の引越し祝いに集まる仲間。みんなで集まることがなんでもないけど特別なこと。
不安も寂しさも愛おしさも楽しさも全部今日の出来事。

なんでもない日常の一コマなのに、どうしてこうも胸が締め付けられるのだろうか。きっとこうしてみんなで集まって、夜まで飲んで、ゲームしたり、変な髪形にしたり、海に行って朝日を見に行ったり…。そんなことが出来るのはあと少しの時間だけ。もう少しで終わるモラトリアムの青春の日々。

漠然とした寂しさ。でも、仲間と朝日を見て、明日が今日になって、なんでもない一日が大切な一日になって。言葉に出来ない想いが溢れていく。


ノローグのない登場人物たちの会話だけで進められる。それでも、何を感じ何を想っているのかなんとなく伝わってくる。本当のところは何を考えているのかなんて分からないけれど、それは友達がなんだか喜んでいるんだなあとか、不安がっているんだなあとか、そんなふんわりとした感じで登場人物たちの気持ちが伝わってくる。今にもこちらに声をかけてきそうなそんな雰囲気がある。
どこにも主人公はいないけど、それぞれが主人公でもある。


妻夫木聡の関西弁がちょっと違和感があったけど、慣れれば大丈夫です。柏原収史が自転車で事故ったあとに、夜の鴨川を見ながら彼女(?)と電話しているシーンがよかったです。
まあ、池脇千鶴が全部もっていった気がします。

なんでもない日常なのに、飽きさせず画面に見入ってしまう。さすが行定勲監督です。音楽の矢井田瞳の曲も映画にあっていてよかったです。
いまいちこの映画の良さというものを書けた気がしないけど、結局この映画のすごいところは行定監督の観客を映画に最後まで飽きさせないところだと思う。

きょうのできごと スペシャル・エディション [DVD]

きょうのできごと スペシャル・エディション [DVD]