絡新婦の理/京極夏彦

絡新婦の理読みました。

あらすじ

理に巣喰うは最強の敵――。
京極堂、桜の森に佇(た)つ。

当然、僕の動きも読み込まれているのだろうな――2つの事件は京極堂をしてかく言わしめた。
房総の富豪、織作(おりさく)家創設の女学校に拠(よ)る美貌の堕天使と、血塗られた鑿(のみ)をふるう目潰し魔。連続殺人は八方に張り巡らせた蜘蛛の巣となって刑事・木場らを眩惑し、搦め捕る。中心に陣取るのは誰か?シリーズ第5弾。

「あなたが──蜘蛛だったのですね」


見事な構造でした。まさに美しい蜘蛛の巣の糸。
女学校の怪しい呪いの儀式、目潰し魔の連続殺人。もがけばもがくぼと、絡みついてくる蜘蛛の糸。緻密に張り巡らされた蜘蛛の巣の中心にいるのは…。


これまでのシリーズを巧く取り込んで事件と関連させていく様は、さすが京極夏彦です。二つの全く関係ないような事件から、点と点から線ができ、線と線から点が出来ていく。そうして、出来ていく蜘蛛の巣。


女権拡張とか格差とか差別とか…。今回も分かるような分からないような話が多い。何をもって女権拡張とするのか。何をもって格差と、差別とするのか。
世間の価値観と自分の価値観。曖昧な境界線上で揺れ動く自己のアイデンティティー。なにを言ってるのか分けわかんないですね…。僕も分からん!


まあ、今回は前回(鉄鼠の檻)と違って美女がいっぱい出てます!榎木津も大活躍!関口君の安心のヘタレ!呉美由紀君がなかなか見所のある娘で好感が持てました。


未だに全体の細かい構造が分かってないような気がします。もう一回読んだら細かい伏線が見えてくるのかな。解説サイトとかあるのかな…。


今回も面白かったです!

文庫版 絡新婦の理 (講談社文庫)

文庫版 絡新婦の理 (講談社文庫)