カラフル/森絵都

死んだはずの「ぼく」の魂にむかって天使が言った。「おめでとうございます、抽選にあたりました!」。そうして、ぼくは輪廻のサイクルに戻るために、下界にいるだれかの体を借りて(天使業界では「ホームステイ」というのだそうだ)前世で犯した悪事を思い出さなくてはならなくなった。

分類としては児童書ですが、大人が読んでも面白い。ずっしりと重い内容だけど、やわらかくどこかあたたかく描いている。
登場人物も分かりやすくていいですね。天使のプラプラや主人公や片思いの桑原ひろか、チビ女の佐野唱子、そして主人公の家族。

最近は同じクラスの子を刺したり、自殺したり、いろんな事件が起こってますがもう少しどうにかならなかったものかと思います。生きるのが辛いときや、隣の子を殺してしまいたくなることもあるかもしれないけど。
「ほんとは長生きしたいけど、1日おきに死にたくなる」そんなことも「ぜんぜんふつう。平凡すぎるくらいだよ」
「でも、死ぬのだけはやめたほうがいい」

中学生の頃にこの本を読んでみたかったなと思います。もっと“救われた感”が強かったかもしれないです。自分もクラスの子を刺すなり、自分を刺すなりしてたかもしれないし。

初めての森絵都作品ですがなかなかいいですね。他の作品も読んでみようとおもいます。

あと、この「カラフル」は原恵一監督で今夏劇場アニメ化されるそうです。これは楽しみです!声に不安を覚えますが、原監督がこの小説をどう描くか、期待しときます。ひとまず、まだ見てない「河童のクゥと夏休み」を見ようと思います。
http://colorful-movie.jp/

カラフル (文春文庫)

カラフル (文春文庫)